COVID-19(新型コロナウイルス感染症)
SARS-CoV-2により引き起こされるこの感染症では、軽い症状であっても短時間のうちに悪化し、低酸素血症を発症する可能性や、病院で管理されている入院患者でも緊急挿管を必要とする突然の呼吸不全や心停止を起こす可能性があります。そのような中、日本でも2021年2月より新型コロナウイルスワクチンの接種が開始され、総接種回数は2億5千万回(2022年3月25日公表1:2022年3月24日までのものであり、3回目接種の実績を含む)を超えました。独立行政法人国立病院機構長崎医療センター 院長 八橋 弘先生監修のもと、新型コロナワクチン追加接種前後のSARS-CoV-2 IgG抗体価の推移の検討がなされました。
新型コロナワクチン追加接種前後のSARS-CoV-2 IgG抗体価の推移
監修:独立行政法人国立病院機構長崎医療センター 院長 八橋 弘 先生
SARS-CoV-2 IgG(研究用試薬)は新型コロナウイルスの抗体検査の定量化試薬であり、「ADVIA Centaur SARSCoV-2 IgG(sCOVG)(研究用試薬)」と「Atellica IM SARS-CoV-2 IgG(sCOVG)(研究用試薬)」の2種類がある2。 SARS-CoV-2 IgGの測定値と中和抗体価との間には良好な相関関係があることが確認されている。 SARS-CoV-2 IgGは、新型コロナウイルスの中和抗体を定量的に測定することが可能な測定系であり、幅広い測定範囲(0.50 - 150.00 Index)の測定値が得られる。
4名において新型コロナワクチン初回接種後約350日まで観察をおこない、期間内のSARS-CoV-2 IgG抗体価の推移を検討した。また、初回ワクチン投与後300日頃の時点で3回目のワクチンを投与した。 2回のワクチン接種後、4名とも時間とともに抗体価の減少を認めたが、この期間内に抗体価として陰性化せず低値で推移した。3回目のワクチン接種後1週間目には急峻な抗体価の上昇【23.54BAU/mL⇒3455.95BAU/mL(青ライン)、48.614BAU/mL⇒890.748BAU/mL(オレンジライン)】を認め、また2回目接種後の抗体価の約4倍の高い抗体価【1941.51BAU/mL⇒6921.064BAU/mL(青ライン)、5777.22BAU/mL⇒19068.896BAU/mL(オレンジライン)】を示した例も認められた。なおワクチンの種類については、3名では1回目、2回目、3回目全てファイザー社 のワクチンを用いたが、1名(オレンジライン)では1回目、2回目はファイザー社で、3回目はモデルナ社のワクチンを半量投与した。
初回ワクチン投与後300日頃の3回目のワクチン投与前後の抗体価の推移からは、抗体価は低下していても追加ワクチン投与後の抗体価の上昇の仕方は急峻であり、B型肝炎ワクチンの追加投与時の反応に近似していた。新型コロナワクチン投与例においても、初回ワクチン投与後300日頃までは、抗体価が低下してもリンパ球レベルでの免疫反応は保たれていることが示唆された。
SARS-CoV-2 IgG(研究用試薬)は新型コロナウイルスの抗体検査の定量化試薬であり、「ADVIA Centaur SARSCoV-2 IgG(sCOVG)(研究用試薬)」と「Atellica IM SARS-CoV-2 IgG(sCOVG)(研究用試薬)」の2種類がある2。 SARS-CoV-2 IgGの測定値と中和抗体価との間には良好な相関関係があることが確認されている。 SARS-CoV-2 IgGは、新型コロナウイルスの中和抗体を定量的に測定することが可能な測定系であり、幅広い測定範囲(0.50 - 150.00 Index)の測定値が得られる。
4名において新型コロナワクチン初回接種後約350日まで観察をおこない、期間内のSARS-CoV-2 IgG抗体価の推移を検討した。また、初回ワクチン投与後300日頃の時点で3回目のワクチンを投与した。 2回のワクチン接種後、4名とも時間とともに抗体価の減少を認めたが、この期間内に抗体価として陰性化せず低値で推移した。3回目のワクチン接種後1週間目には急峻な抗体価の上昇【23.54BAU/mL⇒3455.95BAU/mL(青ライン)、48.614BAU/mL⇒890.748BAU/mL(オレンジライン)】を認め、また2回目接種後の抗体価の約4倍の高い抗体価【1941.51BAU/mL⇒6921.064BAU/mL(青ライン)、5777.22BAU/mL⇒19068.896BAU/mL(オレンジライン)】を示した例も認められた。なおワクチンの種類については、3名では1回目、2回目、3回目全てファイザー社 のワクチンを用いたが、1名(オレンジライン)では1回目、2回目はファイザー社で、3回目はモデルナ社のワクチンを半量投与した。
初回ワクチン投与後300日頃の3回目のワクチン投与前後の抗体価の推移からは、抗体価は低下していても追加ワクチン投与後の抗体価の上昇の仕方は急峻であり、B型肝炎ワクチンの追加投与時の反応に近似していた。新型コロナワクチン投与例においても、初回ワクチン投与後300日頃までは、抗体価が低下してもリンパ球レベルでの免疫反応は保たれていることが示唆された。