腎不全状態に陥り、新規に透析療法導入となる患者さまが年々増えております。その40% 強が糖尿病性腎症が進行した患者です(左図)。
糖尿病性腎症の進行を阻止するには、早期発見・早期治療が大切。尿中微量アルブミンのみが認められる早期腎症期を的確に診断し、厳格な血糖コントロール等の適切な治療を施すことにより、進行を阻止することができます。
糖尿病性腎症の早期発見は、尿中アルブミンがポイント!
糖尿病性腎症は慢性の高血糖状態が持続することにより引き起こされる細小血管障害のひとつで、臨床的には蛋白尿(初期には微量アルブミン尿)、腎機能障害、高血圧、浮腫などを呈し最終的には腎不全に至ります。
腎不全状態に陥り、新規に透析療法導入となる患者さまが年々増えております。その40% 強が糖尿病性腎症が進行した患者です(左図)。
糖尿病性腎症の進行を阻止するには、早期発見・早期治療が大切。尿中微量アルブミンのみが認められる早期腎症期を的確に診断し、厳格な血糖コントロール等の適切な治療を施すことにより、進行を阻止することができます。
Q. 微量アルブミン尿とは?
A. 糖尿病性腎症では糸球体血管壁の透過性亢進により血漿蛋白、特にアルブミンの尿中漏出が生じ、いわゆる糸球体性蛋白が出現します。蛋白定性検査で陰性と判定された検体尿でも、アルブミンの排泄量が異常に増加していることがあり、これは微量アルブミン尿と呼ばれる現象です。
Q. 尿中アルブミン指数とは?
A. 尿中アルブミン濃度は同一人でも運動や尿量、採取時間等によって異なります。糖尿病性腎症を的確に診断するためには、随時尿を用いて尿中アルブミン濃度と尿中クレアチニン濃度を同時に測定し、その比をとった指数がアルブミン指数(mg/gクレアチニン)です。
Q. 随時尿での腎症早期診断はできますか?
A. 日本糖尿病学会、日本腎臓学会糖尿病性腎症合同委員会は、随時尿(なるべく午前中の来院後に採った尿)で尿中アルブミン値(アルブミン指数)が30~299mg/gクレアチニンの場合に糖尿病性早期腎症と診断する、との新しい早期診断基準を規定しました。
【尿中アルブミン/クレアチニン比】の計算
アルブミン指数(mg/g クレアチニン)=尿中アルブミン濃度(mg/L)÷ 尿中クレアチニン濃度(g/L)