免疫抑制薬のTDM適切な血中濃度管理による最適な治療を

移植成績に大きく影響する免疫抑制薬は、その薬効や副作用が血中濃度と相関することが知られています。患者様の服薬指導に加えて、薬効を保ちつつ副作用を最小化するために血中濃度管理が欠かせません。

ISDとして用いられる薬物は、作用機序から大きく5種類(1. ステロイド薬、2. 代謝拮抗薬、3. カルシニューリン阻害薬 (以下、CNI)、4. m-TOR阻害薬、5. 抗体医薬)に分類されます。このうち微量で強力な薬理効果を発揮する反面、狭い有効治療域を有し薬効及び副作用と血中濃度が相関するCNIに分類される、シクロスポリンおよびタクロリムス、m-TOR阻害薬に分類されるエベロリムス、代謝拮抗薬に分類されるミコフェノール酸はTDMの対象薬物です。

さらに、臓器移植の場合では、術後経過に伴う薬物排除能の変化など、日々測定値と患者の容態を観察しながら次回投与量の調整をされています。

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測定方法

ディスクリート方式臨床化学自動分析装置「ディメンション」シリーズでは、CNIであるシクロスポリンとタクロリムスの測定において、ACMIA法を採用しています。タクロリムス、シクロスポリンは薬剤の血球移行性が高く、測定前に全血試料の前処理により溶血、所蛋白処理を行い、血中濃度を測定します。
ACMIA法では、従来のCNI血中濃度測定で必要とされる全血試料の前処理の自動化を実現しました。
ミスの許されない前処理作業を自動化することで、専任のオペレーターがいなくとも、安定したデータを常に一定の時間で結果報告することが可能です。これにより、いつでも診療前検査を実現する体制作りをサポートします。

ディスクリート方式臨床化学自動分析装置「ディメンション」シリーズでは、代謝拮抗薬であるミコフェノール酸の測定において、PETINIA法を採用しています。
トラフ値ではなく、AUCでのモニタリングが要求される本薬剤において、血清および血漿で簡便に測定できます。

ランチョンセミナーのお知らせ

測定方法のうちACMIA法を導入された効果や基礎性能についてお話しいただきます。

第54回日本臨床腎移植学会(Web開催)
ランチョンセミナー1-3
日時:2021年2月18日(木) 12:00-13:00
「国内における免疫抑制薬TDM品質管理の現状と課題」
座長:高原 史郎 先生 (社会医療法人 純幸会 関西メディカル病院 腎臓病総合医療センター)
演者1:安東 大輔 (シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社 LD事業部)
演者2:日向 正信 先生 (順天堂大学医学部附属順天堂医院 臨床検査部)

参加方法など詳細は学会ホームぺージをご覧ください。

免疫抑制薬測定の現状と課題

集合写真
左から、佐藤 滋 先生、 高原 史郎 先生、三浦 ひとみ 先生、 江川 裕人 先生

国内で年間2242例(2017年)が施行される固形臓器移植では、他者の臓器を移植することから、ほぼすべてのケースで免疫抑制薬を生涯にわたり服薬する必要性が知られています。
免疫抑制薬は拒絶反応のリスクを下げる一方、腎毒性に代表される副作用のリスクを持つため投薬量には細心の注意が必要です。また、免疫抑制薬はその薬効・副作用リスクが薬剤血中濃度に相関するため、定期的なTDM(Therapeutic Drug Monitoring)が重要です。TDMは診療科はもちろん薬剤部/検査部といった多職種でのサポートが必要になりますが、検査体制の確保とその測定精度の担保は非常に重要な課題と言えます。
第一線で活動されている先生方に昨今の免疫抑制薬測定の現状と課題について、議論していただきました。

関連文献

ISDのTDMに関連する文献をご紹介します。
文献一覧はこちらよりPDFをダウンロードしてご覧ください。

なお、文献の提供はできかねますのでご了承ください。