FACT:熱中症は増え続けている(救急搬送者数)
日本 / 2025年(5/1~9/30)
▲ 2024年97,578人:+3.0%
▲ 2024年97,578人:+3.0%
日本 / 2026年7月13~19日
▲ 前週4,580人:+137%
▲ 前週4,580人:+137%
世界 / 2025
世界の年間熱関連死(2022~2021平均)
▲1990年代335,000人比: +63%
1人 / 分 世界中で1分に1人が死亡
世界の年間熱関連死(2022~2021平均)
▲1990年代335,000人比: +63%
1人 / 分 世界中で1分に1人が死亡
出典:総務省消防庁「令和 7 年(5-9 月)/令和 8 年 7 月 週報」熱中症救急搬送状況 /Lancet Countdown 2025 Report on Health and Climate Change / WHO Heat and Health
近年の猛暑の影響により、熱中症は救急外来や集中治療室だけでなく、地域医療の現場でも日常的に遭遇する重要な疾患となっています。
重症例では、高体温や脱水による循環障害、組織低酸素、代謝異常が短時間で進行し、多臓器障害に至ることもあります。そのため病態を迅速かつ正確に把握し、適切な治療へつなげることが極めて重要です。血液ガス分析は、ベッドサイドで数分以内に酸塩基平衡、乳酸、電解質などを評価できるため、迅速な重症度の判断や治療方針の決定に役立ちます。
本号では、国内外のエビデンスをもとに熱中症診療における血液ガス分析の役割とその臨床的意義についてわかりやすく解説します。
①熱中症とは? 定義と重症度
熱中症とは、高温・多湿な環境にさらされたことにより、体温調節機能が破綻し、体内の水分や電解質のバランスが崩れることで生じる健康障害の総称です。めまい、立ちくらみ、筋肉痛、頭痛、吐き気、倦怠感などの軽い症状から、意識障害、けいれん、高体温、肝・腎機能障害、凝固異常などを伴う重篤な状態まで、幅広い症状を呈します。原因としては、「体温が上がりすぎる問題」と、「水分・塩分が足りない問題」の2つに分けられます。
② なぜ熱中症で臓器がダメージを受けるのか?
③ 熱中症 初療時に見るべき検査
④ 血液ガス分析で評価すべき項目
⑤ 酸塩基平衡異常の時間経過
⑥ BEは後遺症の有無に紐づく?
中枢神経系後遺症を生じた熱中症患者は、後遺症のない重症熱中症患者と比較して、来院時のBEが有意に低値(-6.4 vs -2.8 mmol/L、p=0.006)であった。
BE低値は組織循環不全や代謝性アシドーシスを反映する所見であり、重症度や中枢神経系後遺症との関連が示唆された。




