
血液ガス分析を読むための重要な4項目
血液ガス分析が敬遠される理由のひとつとして、分析結果に記載される項目が多く、見にくいという声をよく耳にします。そこで、かわら版では血液ガス分析を読むための重要な4つの項目を、「呼吸」と「酸塩基平衡」の2つに分け、考え方を整理して解釈していきます。まず本号では「呼吸の評価で見るべき項目」についてご説明します。
酸素化の評価 ― 呼吸とは? 分圧とは?
酸素化の評価についてご説明する前に、まずは呼吸と分圧に関する基本的な概念を理解しておきましょう。

呼吸とは?
大気中の酸素は気管を通って肺へ運ばれ、血液へと受け渡されます。血液中に入った酸素は心臓を経由して全身の組織へ運ばれ、消費されることでエネルギーと二酸化炭素を生み出します。二酸化炭素は静脈血に乗って心臓から肺へ移動し、呼気として大気中に放出されます。このように、肺胞と血液の間で行われるガス交換を外呼吸(肺呼吸)、血液と末梢の細胞との間で行われるガス交換を内呼吸(細胞呼吸)といいます。ヒトは、この内呼吸によってATPという形でエネルギーを作り出しています。

分圧とは?
私たちの日常生活では、常に気圧という圧力がかかっています。気圧とは、頭の上に乗っている大気の重さによって生じる圧力のことです。そして分圧とは、気圧全体のうち、ある気体成分が占める割合による圧力をいいます。例えば、海抜0mでは約760mmHgの気圧があり、このうち酸素分圧は約21%、つまり760 × 0.21=約159.6mmHgとなります。高所に行くとよく「酸素が薄い」と言われますが、正確には酸素濃度は変わらず気圧が低い状態、ということになります。
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▢ に入る文字を組み合わせると何になる?
酸素乖離曲線って何を表しているの?
酸素解離曲線とは、一言で表すとHbと酸素の結合しやすさを示す曲線です。横軸にPaO2、縦軸にSaO2の関係を示し、S字状の形をしています。肺ではPaO2が高いためHbは酸素と強く結合し、逆に組織では酸素を放出しやすくなります。またこの曲線pH低下、PaCO2上昇、体温上昇などにより右へ移動し、同じPaO2と比べると組織へ酸素を放出しやすくなります。酸素乖離曲線を見るうえで、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

覚えておくべきポイント!
① 酸素乖離曲線= Hbと酸素の結合しやすさと離しやすさを表している
② SpO2 90%=PaO2 60mmHg を下回ると急激にHbは酸素を放しやすくなる
③ PaO2 100mmHg以上に上昇するとHbは飽和状態となりSpO2は頭打ちになる
(⾔い換えると、SaO2=100%の状態ではPaO2の低下に気づけないので、SaO2は98~99%での管理が望ましい)




