酸塩基平衡の評価について:代償の評価いのちの"いま"を見える化する
血液ガス分析かわら版Vol.7

前回第6号では、酸塩基平衡を読むための最初のステップを解説しました。
まず患者情報や病態から異常を予測し(Pre STEP)、次にpHからアシドーシスかアルカローシスかを判断し(STEP1)、変化の原因がPaCO2によるものかHCO3- によるものかを確認し、呼吸性異常か代謝性異常かを見極める方法を学びました(STEP2)。

酸塩基平衡の読み方①(第6号)

血液ガスかわら版⑦酸塩基平衡の読み方ステップ

今回は、代償反応とアニオンギャップについて解説します。


血液ガスの解釈では、単にpHを見るのではなく、
pH・PaCO2・HCO3-を組み合わせて考えることが重要!

次に、STEP3-①で起こった変化が代償反応として適正かどうかを判断します。下の表はそれぞれの酸塩基平衡異常の際に起こる一次変化と、それに対する代償反応の予測変化量になります。例えば代謝性アシドーシスの時にはHCO3-が1.0mmol/L低下するのに対して、呼吸性代償としてPaCO2が1.0~1.2mmol/L低下することが予測されるということになります。なお、代償には限界もあり実測値がこの値を超える変化をしている場合は別の酸塩基平衡異常の存在を疑います。
ただこれでは計算が煩雑になり臨床で使いにくいということから「マジックナンバー15」や「Winterの式」という方法を用いることで簡易的に代償反応の予測値を求めることもできます。

代謝性アシドーシス / アルカローシスの場合

一次変化
HCO3-

代償予測変化
PaCO2(呼吸性代償)


代償の限界値

代謝性アシドーシス

↓ 1.0 mmol/L

↓ 1.0 mmol/L

PaCO2 = 15mmHg

代謝性アルカローシス

↑ 1.0 mmol/L

↑ 1.0 mmol/L

PaCO2 = 60mmHg

簡易予測法その① ”マジックナンバー15”


予測PaCO2 
= 実測HCO3- + 15

実測PaCO2 ≒ 予測PaCO2 ➡ 呼吸性代償は適切

実測PaCO2 > 予測PaCO2 ➡ 呼吸性アシドーシスを合併

実測PaCO2 < 予測PaCO2 ➡ 呼吸性アルカローシスを合併

簡易予測法その② ”Winterの公式”

予測PaCO2
= (1.5 × HCO3- + 8) ± 2

PaCO2の実測と予測の差 ≦ 2 ➡ 呼吸性代償は適切

実測PaCO2 > 予測PaCO2 ➡ 呼吸性アシドーシスを合併

実測PaCO2 < 予測PaCO2 ➡ 呼吸性アルカローシスを合併

血液ガスかわら版⑦簡易予測法比較

どちらの簡易法を使うべき?

代謝性アシドーシスの場合を例に、上記の予測法についてそれぞれ実測HCO3-値を代入して計算すると左の表のようになります。HCO3- 値が12~20mmol/L 程度では両者に差は認められませんが、HCO3- 値がさらに低値になるとWinter の公式で求めた予測値の方が小さくなります。

注意点としては、マジックナンバー15はWinter の公式よりさらに簡易的であるということから、日常診療ではマジックナンバー15を、重症の代謝性アシドーシスの場合はWinterの公式による確認が望ましいとされています。

あたまの体操!血液ガス クロスワードパズル

▢ に入る文字を組み合わせると何になる?

血液ガス分析かわら版⑦クロスワード

※ 第6号の答えは “アルブミン” でした

タテのカギ

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3. 映画にもなった英国の伝説的ロックバンド

5. 純粋な代謝性異常を示す指標。ベース・〇〇〇〇

6. pH:7.10 pCO2:14 HCO3-:24➡ 〇〇性アシドーシス

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ヨコのカギ

1. 肺動脈を流れるのは〇〇血

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