乳がん検診に役立てたい

高画質、低被ばく、痛みの少ないマンモグラフィ

特定医療法人社団勝木会やわたメディカルセンター様

名峰白山を臨む、やわたメディカルセンターは、加賀平野、石川県小松市に位置する地域の中核病院です。健診センターに導入された MAMMOMAT Revelation の使用経験と今後のトモシンセシスの運用について、 放射線科の山森早苗 先生、堂下雅雄課長、三ッ出徳子技師、畑耕子技師、 橋本典子技師、田畑悦子技師にお話をうかがいました。

やわたメディカルセンター様

|2019-08-24

やわたメディカルセンター三ツ井先生

前編

堂下課長:当センターは、循環器内科と整形外科を主とする二次救急指定病院です。急性期病棟、回復期リハ病棟、地域包括ケア病棟を備え、健康増進、二次予防、三次予防のリハビリ テーションを行っています。この施設には健診センターがあり、企業健診、一般検診を行って います。このたび、その健診センターにSiemens Healthineers の乳房撮影装置MAMMOMAT Revelation を導入しました。マンモグラフィの撮影件数は、年間に約2000件で、そのほとんどが健康診断ならびに対策型乳がん検診です。また、外科診療の撮影も行っています。

やわたメディカルセンター堂下課長

堂下課長:小松市には、当センターを含め、2か所しか乳がん検診を受けられる施設があり ません。そのような状況で以前の乳房撮影装置のサポートが終了し、新しい装置を導入すること となりました。近年では、受診者の低被ばくや痛みについての関心も高まっています。2Dマンモグラフィの画質だけでなく、腫瘤性病変、また石灰化形状の描出能の高さからSiemens Healthineers のトモシンセシスが有用であると考えました。

三ツ井技師:装置の選定には、低被ばく、高画 質、トモシンセシス撮影可能機種という条件が必須でした。他社装置と比較し、丸みを帯びた 形状で特に腋窩の痛みを軽減できるSoftComp 圧迫板、最適圧迫機構のOP-Comp など受診者の 負担軽減、技師の操作性、日常管理の簡便さ、装置のデザインなどの理由でMAMMOMAT Revelation を選定しました。新製品で導入実績が少ないことや、故障時の対応などについて若干の懸念はありましたが、Siemens Healthineers の担当者の人柄、信頼感から導入を決めました。

山森先生:私は主に外科診療のマンモグラフィの読影を行っています。2D、トモシンセシス ともに画像容量が小さく、短時間でビューワに 表示されますので、ストレスなく読影ができます。

堂下課長:乳がん検診は2D撮影を行ってい ます。撮影件数が多いため遠隔読影システムを利用しています。撮影した 2D マンモグラフィ画像は、撮影装置からクラウドサーバに自動転送 され、2名の読影医が二重読影します。その後、遠隔読影のベンダーから施設に読影レポートが送られ、健診センターの医師がそのレポートをチェックして受診者に結果を伝えます。画質については、遠隔読影をされている先生からも、高い評価をいただいています。

三ツ井技師:導入後に実際に当センターで撮影した画像の画質は、装置選定時に拝見した高画質の2D マンモグラフィ、トモシンセシスとまったく差がありませんでした。特に、デンス ブレストの乳腺内外コントラストが、以前の装置よりよくなったと評価しています。

田畑技師:2Dの画質については、乳腺内外コントラストが高いにも関わらず粒状性もよく、装置選定時から評価していました。最近、外科 外来からの依頼で、石灰化病変を認める患者の2Dトモシンセシス撮影を行ったのですが、石灰化病変がキラリと認識できました。まだトモシンセシスの撮影件数は少ないのですが、石灰化病変だけでなく、構築の乱れや腫瘤性病変なども評価していきたいです。

やわたメディカルセンター山森科長

後編

三ツ井技師:地域の皆さんの多くは、当セン ターで何度も検診を受けているせいか、大勢の方々から以前の乳房撮影装置よりも痛みが少ないというご意見をいただいています。痛みを軽減できる理由は、装置全体に角が少なく圧迫されても痛みの少ない構造と、SoftComp 圧迫板や最適圧迫機構OP-Comp のおかげだと思います。特にOP-Comp は、必要以上の痛みを加えることがありません。おかげで、撮影技師の精神的負担も軽くなりました。操作性に関しては、なんといってもボタンひとつで次の撮影ポジションまで、自動で撮影台が角度付けできるシングルタッチが便利です。画像表示も早く、撮影から画像確認までの流れがスムーズです。検査にかかる時間も大幅に短縮されました。

田畑技師:私も「前より痛くなくなった!」とよく聞きます。やはりMAMMOMAT Revelation の すぐれた圧迫機構によるものと思います。OPComp は、個々の乳房に最適な圧迫圧を教えてくれる仕組みです。圧迫圧力の数値は以前よりも低いのですが、SoftComp 圧迫板が乳房をきっちりと押さえつつ伸展してくれます。これも、高画質の大きな理由のひとつだと思っています。

橋本技師:装置にハンドルがなく、受診者が リラックスした体勢でポジショニングできます ので、乳房がよく伸展していると思います。オプションで導入したイルミネーションパネルも受診者がよりリラックスして検査を受けられる効果があると思います。

畑技師:初めて装置を見たときには、乳房支持台が大きいのでうまくポジショニングできるか若干の不安を感じました。しかしすぐに慣れました。私のお気に入りは、ボタンひとつで、次の撮影ポジションまで自動で撮影台が角度付けできるシングルタッチ機能です。操作性にすぐれ、検査のワークフローが格段に改善されたと思います。撮影後には、操作卓モニタにすぐに画像が表示されますので、ストレスもありません。

堂下課長:現在、当センターでは、人間ドック、住民検診に加え、企業検診を実施しています。MAMMOMAT Revelation はトモシンセシス撮影も行えますので、今後は、トモシンセシスの検診 利用についても検討していきたいと考えています。まずは小松市内の企業を対象にMAMMOMAT Revelation の特長や2D マンモグラフィ、トモ シンセシスの説明を行い、検診の推進をしていきたいと思っています。特にMAMMOMAT Revelation のトモシンセシスはデンスブレスト、腫瘤性病変、また石灰化の形状を明瞭に描出してくれますので、トモシンセシスによる検診が有用となっていくと思います。トモシンセシスから形成される合成画像であるInsight 2D、3Dも海外では診断に使用しているとうかがっています。日本の動向も見据えたうえで、より低被ばくのトモシンセシス検診を提供できればと願っています。

三ツ井技師:マンモグラフィ検査は女性を対象としていますので、乳房撮影室も待合室もピンク色を主体にイメージをまとめています。また、待合室では、マンモグラフィの撮影方法やトモシンセシス画像の紹介DVDをモニタでご覧いただけるようにしています。新規および再訪を促し、なるべく多くの皆様に来ていただけるように、市の広報や当施設の機関誌などを活用し、低被ばくで痛みの少ない検査ができることを紹介していきたいですね。

堂下課長:Siemens Healthineers の製品は、MRI装置、SPECT装置も使用しています。導入後のフォローはいずれも万全です。やはり人と人との信頼関係、つながりが良好だからこそ、次も Siemens Healthineers を選ぼうと思います。今後も手厚いフォローをお願いいたします。

三ツ井技師:ポジショニングの検討や最新情報の提供など、デジタルマンモグラフィの勉強会を、この北陸でも定期的に開催していただきたいです。今後も、私たちをわくわくさせてくれる装置の登場を待っています。