高精度なアンギオグラフィをサポートする血管撮影装置ARTIS iconoシリーズの新たなラインアップ2機種の販売を開始

東京

|2024-03-26

シーメンスヘルスケア株式会社(東京都品川区、代表取締役社長: 森 秀顕、以下 シーメンスヘルスケア)は、血管撮影装置ARTIS iconoシリーズの新たなラインアップとして、「ARTIS icono TA (アーティス アイコノ ティーエー)」および「ARTIS icono FloOR(アーティス アイコノ フロア)」を4月1日より販売します。

当社の血管撮影装置ARTIS iconoシリーズは、リアルタイムに提供される安定した高画質な透視・撮影画像が評価され、脳卒中治療や循環器系疾患治療における血管撮影(アンギオグラフィ)用装置として、急性期医療で重要な役割を担う大学病院や基幹病院で活用されています。この度、アンギオグラフィ領域において、より幅広い疾患治療に貢献すべく、既発売の脳卒中や循環器疾患治療向けバイプレーンシステムに加え、新たにアンギオグラフィ下で行われるInterventional Radiology(画像下治療:IVR)や、アンギオグラフィと外科手術を組み合わせるハイブリッド手術室向けに、シングルプレーンシステム2機種を導入します。


ARTIS icono ceiling Multitilt product image
ARTIS icono TA

高度で複雑なIVRにおいて、より安全・迅速・正確な手技に貢献するために開発された天井懸垂型のシングルプレーンシステム

  • 当社独自のハードウェア・ソフトウェアテクノロジーにより、自動で適正なX線量を調整しながら高画質な撮影・透視画像を実現
  • 当社独自の「Omni Spin」機構により、高速でぼけの少ない3D画像撮影を実現
  • 微細な血管へのIVRをサポートする高い再現精度

1.    独自のハードウェア・ソフトウェアテクノロジーで、自動で適正なX線量を調整しながら高画質な撮影・透視画像を実現

  • 血管透視撮影においては、患者の体厚や撮影装置のアームの角度などにより、必要以上のX線照射や、線量不足による画質低下が避けられないことがあります。ARTIS iconoシリーズで採用している独自機構「OPTIQ」は、術者が求める画質レベルを設定するだけで、患者の体格や体厚により画質に差が出ることのないよう、X線発生量とイメージングシステムの画像処理エンジンのパラメーターを自動的に制御します。体厚が薄い場合などは不必要なX線を抑制し、体厚が厚い場合などはX線量を増やすなど、治療に求められる安定した高画質を常に適正線量で提供しながら、治療時間短縮に貢献します。
  • 撮影だけでなく透視においても※12Kイメージングを実現しており、大画面表示レイアウトでも解像度の高い透視・撮影画像を提供します。
  •  可能な限り低線量で、ガイドワイヤーや冠動脈ステントなど治療デバイスの視認性を高めるには、デジタル画像処理技術のみならず、被写体のX線吸収特性なども考慮する必要があります。当社独自の画像調整機能「Structure Scout」では、それぞれの治療デバイスの構成成分固有のX線吸収特性を基に、デバイスの適正な描出に必要なパラメーターを設定します。設定したパラメーターを選ぶだけで、安定した画像コントラストが得られるよう、X線スペクトルなどが自動的に調整されます。これによりX線量を上げることなく、治療デバイスの視認性向上を可能にしています。

2.    当社独自の「Omni Spin」機構により、高速でぼけの少ない3D画像撮影を実現
IVRのための正確な画像再構成のためには、3次元(3D)撮影データが重要になります。当社独自の「Omni Spin」機構は、高速で広範囲な稼働が可能なCアームが、患者の頭部と側面ともに左右200度の広範囲な角度にわたって撮影を行います。アームが患者頭側に配置された場合では、1秒あたり95度の高速回転により、従来機種*2に比べて撮影時間を約50%削減するなど、高速な撮影により体動による画像のぼけ(モーションアーチファクト)を低減します。

3.    微細な血管へのIVRをサポートする高い再現精度
シーメンスのインダストリー部門で培ったモーター制御技術を生かし、従来のシステム*2の4倍の精度となる、0.5mm以内のシステムポジションの再現精度を実現しました。これにより、造影剤が存在する血管のみを描出するデジタル・サブトラクション・アンギオグラフィ(DSA)において、撮影画像と透視画像を重ね合わせるロードマップ実行時や、当社の3Dイメージングアプリケーション「syngo 3D Roadmap」使用時など、画像の重ね合わせ表示が必要な場合のずれを抑えることが可能です。


ARTIS icono FloOR
ARTIS icono FloOR

ハイブリット手術室における心臓疾患の低侵襲治療をサポートするため、ARTIS iconoシリーズの高画質画像に加え、高い操作性、設置性、汎用性を実現した据置型のシングルプレーンシステム

  • ハイブリット手術室内のスペースの有効活用できる高い設置性
  • さまざまなカテーテル治療に柔軟に対応するフレキシブルなアームポジショニング
  • カテーテル治療専用に設計された寝台の優れた操作性

1.    ハイブリット手術室内のスペースの有効活用できる高い設置性
日本では、ハイブリット手術室におけるシングルプレーン血管撮影装置は天井懸垂型が一般的ですが、手術室の天井はさまざまな機器を設置する必要があり、複数の機器と天井懸垂レールが相互に干渉しやすいという課題があります。本装置は、最小設置可能面積28平方メートル*3というコンパクトサイズを実現し、手術室内の導線を確保しながら、天井懸垂型装置の操作の煩雑さを軽減します。

2.    さまざまなカテーテル治療に柔軟に対応するフレキシブルなアームポジショニング
長手方向に最大210cm、横手方向に最大190cm、と可動域の広いCアームにより、寝台を動かすことなく頭部から足先までの血管撮影が可能です。寝台を動かさないことで患者にとって負担の少ないカテーテル治療に貢献するだけでなく、それぞれの手技に合わせた最適なアームポジショニングで高い精度の求められるカテーテル治療をサポートします。

3.    カテーテル治療専用に設計された寝台の優れた操作性
カテーテル治療においては、カテーテルが血管内を進んでいく細かな動きをX線透視で確認するために、寝台を手動で水平移動させながら治療を行うことが一般的ですが、重量のあるテーブルを微細に調整するための術者の負担が過大となっていました。カテーテル治療専用に設計された本装置の寝台は、パワーアシスト付フローティング機構を搭載しており、さまざまな体格の患者に対応したスムースで微細な寝台移動を簡単に行うことができます。ハイブリッド手術室環境に合わせ、外科的手術が必要になった場合には寝台を頭尾方向および左右方向に傾斜することも可能で、心臓血管疾患の低侵襲治療を柔軟にサポートします。

血管撮影装置が担う役割は診断だけでなく、さまざまな疾患の治療の領域へと拡大し続けています。当社は引き続き、医療の現場のさまざまなニーズに応えながら、先進的な医療に貢献できるイノベーションを提供し続けてまいります。


Siemens healthineers の血管撮影装置ARTIS icono シリーズ ラインアップ

ARTIS icono

ARTIS icono D-Spin

脳卒中治療向け

ARTIS icono BC

ARTIS icono BC

循環器疾患治療向け

ARTIS icono TA

ARTIS icono TA

腹部・体幹部IVR 向け

ARTIS icono FloOR

ARTIS icono FloOR

心疾患のハイブリッド手術室向け


シーメンスヘルスケア株式会社
コミュニケーション部
堀本