業界最大50度の広角トモシンセシス(3D)撮影を短時間で実現するマンモグラフィ装置「MAMMOMAT B.brilliant」を発売令和6年度の診療報酬改定において点数加算が発表された、乳房トモシンセシス検査に対応する当社最上位機種

東京

|2024-03-25
The new mammography and tomosynthesis system from Siemens Healthineers: MAMMOMAT B.brilliant.
販売名:マンモマート B. ブリリアント 
認証番号:306AABZX00013000
  • 業界最大*1X線管振り角50度の広角3D撮影により、病変の検出率向上に貢献
  • 従来機種の5分の1となる約5秒の短時間撮影*2で、被検者の負荷低減に貢献
  • 独自のハードウェア・ソフトウェア技術により、マンモグラフィ検査の痛みや不快感を低減

シーメンスヘルスケア株式会社(東京都品川区、代表取締役社長: 森 秀顕、以下 シーメンスヘルスケア)は、業界最大50度の広角3D撮影を短時間で実現するマンモグラフィ装置「MAMMOMAT B.brilliant (マンモマート ビーブリリアント)」を3月25日より販売します。


日本において2019年に新たに乳がんと診断された女性は9万7千人で、1985年の約3万人から、3倍以上に増加しています*3。日本のみならず、世界全体で増加傾向にあり、2020年には、世界で乳がんと診断された患者数が、がんの新規罹患数に占める割合で肺がんを超え、最多となりました*4

一方で、乳がんは早期に発見し適切な治療が施されれば生存率の高い疾患*5であるため、乳がん検診の重要性が世界各地で謳われています。乳がん検診は、X線を用いるマンモグラフィや超音波検査 などによって行われていますが、より精度の高いがん検出率に貢献するデジタル乳房トモシンセシス(3Dマンモグラフィ、Digital Breast Tomosynthesis : DBT)が注目されています。2024年3月4日に公示された、令和6年度診療報酬改定において、この乳房トモシンセシスへの診療報酬加算が発表されました。「現行の乳房撮影に比し、トモシンセシス撮影を行うことにより、乳腺組織の重なりを 除去して病変が明瞭に描出できるので、特に高濃度乳房で問題となるマンモグラフィの偽陰性と偽陽性の症例を減らすことが可能となり、早期乳癌に対する診断能が向上して、患者の不利益を軽減するとともに医療費削減をもたらすことが可能となる」点が評価されています。

MAMMOMAT B.brilliantは、当社フルデジタル乳房X線撮影装置の最上位機種となり、業界最大の50度の広角3D画像撮影を、従来の5分の1となる約5秒で実現します。新たに開発した技術により、トモシンセシス撮影時のX線管の高速移動の動きによって引き起こされる画像のぼやけを防ぎ、短時間の撮影でも鮮明な3D画像を提供します。

獨協医科大学 医学部・埼玉医療センター放射線科主任教授 久保田一徳先生は以下のように述べています。「乳房トモシンセシスはマンモグラフィで断層画像を生成するもので、構造物の重なりを三次元的に判断できることによって乳がんの検出率を向上させ、偽陽性による追加検査を減らします。MAMMOMAT B.brilliantでの技術革新により、画質が向上して診断精度が高まることに期待しています。また、撮影時間が短縮し、デザインも含めて患者の快適性にも考慮されていることは被検者・撮影者ともに望ましいと思います。より安心してマンモグラフィ検査を受けられ、乳がんの早期発見や適切な治療につながることを期待しています。」


従来機種*6 の5分の1となる約5秒の短時間撮影で、被検者の負荷低減に貢献
当社独自のflying focal spot technology と新たに開発した検出器により、高速なトモシンセシス検査を実現します。50度の広角撮影を、従来機種の5分の1となる約5秒で撮影完了します。乳房が圧迫される時間を短縮することで、被ばく量低減や痛みの軽減など、被検者の身体的負荷低減に貢献します。

独自のハードウェア・ソフトウェア技術により、マンモグラフィ検査の痛みや不快感を低減
当社のマンモグラフィ装置、MAMMOMATシリーズには、マンモグラフィ検査における痛みや不快感を低減するためのさまざまなハードウェア・ソフトウェア技術が搭載されています。

  • Soft-Speed機構:圧迫板が乳房や手に触れると自動で圧迫スピードを緩めることで、ポジショニング時における  過度な圧迫ややり直しを防ぎ、痛みを軽減しながら短時間で撮影準備を行うことができます
  • Op-comp機構:個々の乳房に合わせて最適な圧迫圧になったところで、圧迫が自動停止します。過度な圧迫を防ぎながら、撮影に適した乳腺の伸展を作り出します。
  • 乳房の形にそってしなるソフト圧迫板:圧迫板には、さまざまな乳房の形に沿ってしなる柔らかな素材を採用しています。乳房の形状を捉えて乳房全体に圧力がかかることで、痛みの軽減に繋がります。

マンモグラフィ画像2Dと3D比較
左:2D画像  右:3D画像

2Dマンモグラフィと3Dマンモグラフィの違い
従来の2Dマンモグラフィは乳房を薄く延ばし、1方向から撮影します。3Dマンモグラフィは、撮影角度を変えて複数の方向から撮影し、収集したデータを3次元的に再構成します。マンモグラフィの撮影では、乳腺も腫瘍も白く写ってしまうため、3次元構成とすることで乳腺の重なりを減らし、小さな腫瘍など、乳腺と重なって見逃されていた病変を探しやすくすることを目的に開発されました。

病変の検出率向上に貢献

2Dマンモグラフィでは組織の重なりとして描出された部分を、トモシンセシスにより断面像として捉えることで、より詳細な乳房内部の情報を得ることが出来ます*7 *8 。2Dマンモグラフィでは悪性腫瘍の30%が検出されない可能性があるのに対し*9、15,000人以上の患者を対象とした世界でも大規模な研究により、50°広角の3Dマンモグラフィでは、一度の撮影で43%の悪性腫瘍検出率の向上が示されました*8 *10

アジア人や40代に多い高濃度乳腺の女性は乳腺に隠れた病変を見つけにくい
日本人を含むアジア人の女性には、乳腺の発達した高濃度乳腺が多いとされています*11。年齢別にみると、40代女性での高濃度乳腺の方の比率が高くなっています*12。乳がんの罹患率が40代から上昇する*13ことに加え、高濃度乳腺では乳がんの罹患リスクが高いにも関わらず、従来のマンモグラフィでは感度が十分でないこともあり、高濃度乳房に対する対策が必要とされています*11

予測される世界的な市場の伸び
3Dマンモグラフィ装置の市場は、2022 年に 12 億米ドルで、乳がん罹患率の上昇や人口の高齢化、医療画像処理技術の向上に後押しされ、2032 年にまでに12.5%のCAGRで 36 億米ドルに達すると予想されています*14 。米国の医療保険制度改革法(Affordable Care Act)では、40 歳以上の女性に対するマンモグラフィ検査を健康保険会社が負担することが義務付けられていることに加え、高齢者および障害者向け公的医療保険制度(Medicare)では 3Dマンモグラフィがカバーされることから、特に北米における市場の伸びが最も大きいと予測されます。


シーメンスヘルスケア株式会社
コミュニケーション部
堀本