エポックは非常にコンパクトなため、小さな測定カードと一緒に救急対応のカバンのサイドポケットに入れてドクターカーに持ち込んでいます。患者の元に到着するとすぐにエポックを取り出し、測定カードを入れ検査の準備をします。較正が終了し検査可能となると、ルートから看護師又は救命救急士が採血し検査を行います。医師の立場から見ると、患者ケアを行っている間に検査結果が出ているという感じです。
ドクターカーで使用する場合には、温度環境が病院内と異なります。測定カードは、15℃~30℃の保管温度で管理しやすいのですが、装置の稼働環境は、15℃~30℃の範囲となっていますので、冬などは移動時に機器が冷えない様に注意が必要です。
そしてエポック自体はメンテナンスフリーなので、取り扱いについてはとても容易ではありますが、院内に持ち帰った際に充電を行う様にしています。救急対応をしつつ検査結果を見るため、検査結果が小さくて読みにくいと思うこともありますので、今後販売される製品で見やすくなることを期待しています。
救急部では、クレアチニンが必要な患者の場合は、その場でエポックを用い測定を行っています。また、手術室においても、術中に血液ガスの測定頻度が高い心臓外科手術でエポックを活用していく予定です。
尼崎の救急医療の情勢としては、他府県と比較すると随分と恵まれていると言われるような環境となってきました。しかし、その一方で市内及び近隣都市からの救急搬送数は年々増加し続けており、令和2年度の救急車搬送件数は、2,899台でした。できる限り早期からの医療介入が謳われており、ドクターカーを運用しています。医療チームが現場にいち早く到着し、医療行為を行い、救命率の向上、後遺症の軽減を目指すドクターカーの活動には、血液ガス分析装置エポックは必須の装置だと思っています。
関西ろうさい病院様の事例