1.5T MRI装置最上位機種MAGNETOM Flow.Elite発売被検者の検査体験を向上しながら高精度検査を提供ヘリウムフリー構造により、環境負荷と施工・ランニングコスト低減にも貢献

東京|2025-11-04
  • AIによる画像再構成技術や各種センシング技術により、被検者の動きや操作者の熟練度に左右されない高精度な検査を提供
  • 新設計のブランケットコイル ・音響システムおよび自動化支援機能により、被検者とオペレーター双方の検査体験を向上
  • ヘリウムフリー構造と省エネ機能の組み合わせにより、クエンチリスクとランニングコスト低減に貢献

シーメンスヘルスケア株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:櫻井 悟郎、以下 シーメンスヘルスケア)は、AIによる画像再構成技術と高度なセンシング技術を融合し、被検者の動きやオペレーターの熟練度に左右されない高精度な画像診断を実現するヘリウムフリー1.5T MRI装置「MAGNETOM Flow.Elite(マグネトム・フロー・エリート)」を発売します。「MAGNETOM Flow.Elite」は、70cmワイドボアデザインを採用した1.5T MRIの最上位機種です。

経済的な負担や人手不足により、医療機関の経営が厳しさを増す中、医療の質を維持しながら業務の効率化とコスト削減を両立できる医療機器へのニーズが高まっています。本装置は、AIを活用した独自の画像再構成技術や各種センシング技術を搭載し、被検者の動きやオペレーターの熟練度に左右されることなく、高精度な検査を安定して提供します。また、新設計のブランケットコイルや音響システム、自動化支援機能により、被検者とオペレーター双方の検査体験を大幅に向上するだけでなく、液体ヘリウムの使用量を大幅に削減したヘリウムフリー構造と省エネ機能の組み合わせにより、クエンチ*1 のリスクとランニングコストを低減し、病院経営の経済的負荷軽減に貢献します。


AIによる画像再構成技術や各種センシング技術により、被検者の動きや操作者の熟練度に左右されない高精度な検査を提供

  • AI を用いた 画像再構成技術Deep Resolve を搭載し、撮像時間を50% 短縮*2 ながら、空間分解能を倍増させた高精細な画像を提供します。Deep Resolveは2D撮像に加え3D撮像にも対応し、臨床検査における画質とスループットを飛躍的に向上させます
  • 年齢、体型、症状など被検者の特性によらず、再現性が高く、ハイクオリティな画像を安定的に提供するためのハードウェアテクノロジーBioMatrix Technologyを採用しています。コイルに内蔵された同期センサーが、呼吸パターンや心臓の動きを非接触で検出し、被検者の動きに同期したスキャンを行うため、被検者やオペレーターによる画質の変化を大幅に低減し、安定した画像を得ることができます
  • 少ないデータから高品質な画像を再構成する圧縮センシング技術(Compressed sensing)を時間方向にも拡張し、動きのある臓器(腹部や心臓)を撮像するためのデータサンプリング技術(GRASP:Golden-angle Radial Sparse Parallel)や独自の体動補正技術などにより、従来複数回の息止めを必要としていた造影ダイナミック検査や心臓MRI検査を自由呼吸下で行うことが可能です。息止めの難しい被検者に対しても安定した検査を行うことができます
Deep Resolve 撮像時間を50%短縮しながら空間分解能を倍増
BioMatrix Sensors 呼吸パターンや心臓の動きを非接触で検出し同期しキャン

新設計のブランケットコイル・音響システムおよび自動化支援機能により、被検者とオペレーター双方の検査体験を向上

  • 被検者に装着するブランケット型コイルBioMatrix Contour coils は、柔軟で軽量なデザインにより被検者の負担を軽減します。また、内蔵されたセンサーがコイル位置を自動認識するため、被検者のポジショニングをワンタッチで完了できます。レーザーライトによる位置合わせの手順が不要になり、検査前の準備時間を短縮します
  • 新設計のワイヤレス音響システムを頭頸部コイルに搭載しました。検査時のセットアップが容易になるだけでなく、撮像音や環境音を低減しながらオペレーターの声や音楽をより聴きやすくなり、被検者の検査体験を向上します
  • AI による自動撮像支援機能myExam AutoPilot により、頭部、脊椎、膝のルーチン 検査はワンクリック操作で完了することができるようになり、オペレーターのスキルレベルに依存せず、効率的で一貫した検査結果を提供します
BioMatrix Contour coils 柔軟・軽量・センサー内蔵のブランケット型コイル
ComfortSound ワイヤレス音響システムが被検者の検査体系を向上

ヘリウムフリー構造と省エネ機能の組み合わせにより、クエンチリスクとランニングコスト低減に貢献

  • 本装置はSiemens Healthineers が2016年から独自に開発してきた冷却技術DryCooling Technology を搭載しました。これまで超電導磁石の冷却に必要とされていた最大1,500 リットルの液体ヘリウム使用量を0.7 リットルまで削減し、冷却機構を完全密閉設計とすることで、装置の稼働やクエンチに伴う液体ヘリウムの再補充が不要なヘリウムフリー仕様となっています
  • 密閉された液体ヘリウム冷却機構を生かし、平日夜間や休日などの非稼働時に冷凍機を間欠運転するEco Power Mode や、一定時間稼働がない場合に自動で省電力モードに移行するEco Gradient Mode 等の省エネ機能の組み合わせにより、電力の消費量を最大40% 低減*3 します
  • クエンチパイプ設置のための工事が不要なことに加え、高さが約2メートル、最小設置面積が25平方メートル、重量が約3.7トンの小型・軽量な設計により、設置の自由度が高く、床の耐荷重補強に対する施工コストも削減できます
DryCool Technology わずか0.7Lの液体ヘリウムで稼働、ヘリウム再補充不要
Eco Power Mode 密閉された液体ヘリウムを活かし非稼働時に冷凍機を間欠運転

当社は今後もMRIのリーディングカンパニーとして経営効率改善や人手不足などのお客様の課題解決に加え、環境負荷の低減など、さまざまなイノベーションにより、ヘルスケアのサステナビリティへの貢献に邁進してまいります。


シーメンスヘルスケア株式会社
コミュニケーション部
堀本