MAMMOMAT B.brilliantの運用により高度な乳癌診療を地域に提供する役割を果たす秋田大学医学部附属病院様 事例

秋田大学医学部附属病院様

|2025-12-18
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秋田大学医学部付属病院 寺田先生と中央放射線部の皆様

秋田県下で乳癌診療の診断から手術、治療までを担う秋田大学医学部附属病院では2025年2月、高速トモシンセシスに対応したマンモグラフィ装置MAMMOMAT B.brilliantを導入しました。同装置の選定理由や使用感、被検者からの声について、乳腺・内分泌外科の寺田 かおり 先生、中央放射線部の照井 正信 技師長、斎藤 慶子 技師、池田 昌子 技師にお話を伺いました。


照井 正信 技師長

寺田 先生:当院の乳腺・内分泌外科は他診療科との連携の下、高度で専門的な乳癌診療を地域内で集約的に担っています。具体的には遺伝性乳癌症例の診断・治療、妊孕性温存を目指した治療、乳房再建術等を多く行っており、高齢化の進む秋田県にあって、比較的若年層の受診が多いのが特徴と言えます。被検者の受診経緯は、他施設で乳癌と診断された紹介や、乳がん検診で要精査判定となったケースが中心です。受診後の乳房検査を中心に診断フローを乳腺・内分泌外科が主体となって進めており、問診、視触診に続けて超音波検査までを乳腺外科医が行った後、マンモグラフィ撮影は診療放射線技師が行い、読影は乳腺外科医が行っています。在籍する乳腺外科医は計5名、うち3名が検診マンモグラフィ読影医師の認定をAS評価で取得しています。

照井 技師長 診療放射線技師は計36名、うち女性が11名です。担当するモダリティは2週間でローテーションする体制とし、マンモグラフィには必ず女性技師を配置しています。女性技師の多くが検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師の認定を取得するなど、自主的に技術向上に努めています。

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寺田 先生:要精査症例に対して病変の見逃しがあってはならないですし、発見した病変に対する確定診断と治療方針の決定までを確実に行うことも求められます。しかし、先述のとおり、高濃度乳房を持つ若年層の被検者が比較的多いため、従来の2Dマンモグラフィ画像では病変を疑う部位の評価がしばしば困難に感じていました。当院ではマンモグラフィの際、2DとトモシンセシスをMLOとCCの2方向で撮影することをルーチンにしています。

本装置選定の決め手の一つがトモシンセシス画像の良好な画質であり、高濃度乳房に対しても腫瘤、石灰化、FADといった所見をより明瞭に視認性高く捉えられると感じています。

斎藤 技師:トモシンセシス画像の画質に関しては、腫瘤の形状やスピキュラの構造が鮮明に視認できる印象です。技師の視点からの装置選定理由として、MLO撮影のポジショニング時、X 線管が上方に退避する機能「ComfortMove」が備わっていることです。これにより技師がポジショニング時に頭をX 線管にぶつけてしまうこともなく、安心して検査を行えています。

照井 技師長 :X線管の振り角が50と広角なトモシンセシスを高速で撮影することが可能である点は、選定理由として特に重視しました。

照井 技師長

斎藤 技師:ポジショニングに関しては、「ComfortMove」を使用することで前述のとおり、身体的な負担は軽減されています。今まで照射野を光照射野で確認していましたが、X線管が退避することで正面から乳房の位置をとら えることができるようになりました。さらに、圧迫板のセンターラインでポジショニングの確認が できるようになりました。また、装置更新に伴い、MLO撮影時に大胸筋が入りやすいように、被検者に前寄りの立ち位置で圧迫板前面側に体を 寄せてもらったり、乳房支持台の角に腋窩では なく上腕付け根辺りを合わせてもらったりする 工夫を行い、しっかりとポジショニングできてい ます。

乳房の圧迫に関しては、最適な圧迫圧で圧迫が自動停止する機構「Op-comp」が搭載されたことで、被検者にとって以前より最適な圧力で 撮影できていると感じています。さらに技師ごと に感覚的に判断していた乳房の圧迫圧が標準化 されるメリットを感じます。

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寺田 先生: 被検者からは“痛みが少なかった”というお声をいただいています。これは圧迫板がしなっていることが影響していると感じています。以前は2D だけの撮影でしたが、診療報酬の改定もあり、装置更新のタイミングで初めてトモ シンセシスを撮影された被検者も増えていると 思います。しかし、トモシンセシスが追加になっても苦痛 だというお声は上がってきていません。より良い装置できちんと調べてもらえるという満足感も あるのではないかと思います。これは装置の性能 だけでなく、撮影する技師が被検者と上手に コミュニケーションを取りより良い検査を行おうという日々の努力の賜物と感じています。

斎藤 技師: MAMMOMAT B.brilliantではフェイスガードが固定の位置にあり、トモシンセシス撮影時にはX 線管のみが移動、CC 撮影でも被検者の顔の前に常にフェイスガードがあるため被検者は安全に、より安心してトモシンセス撮影に臨めていると思います。検査時間については、2D 撮影からトモシンセシス撮影に移行する間、被検者には動かずに待機してもらう必要がありますが、「そのままお待ち ください。細かく撮影していきますね」といった 声かけをすることでスムーズに検査を実施できています。

池田 技師: 乳房の圧迫に対して、被検者からは“痛くない”との声を多くいただきま す。 MAMMOMAT B.brilliant では、従来の圧迫板よりも柔軟な素材が採用されていることや、角に 丸みのある形状になっていることを被検者にも 知ってもらうようにしています。

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寺田 先生:近年、当院のような大学病院に集約されている高度で専門的な乳癌診療も、治療終了後は連携する地域の医療機関に被検者が分散して戻っていく、という医療提供体制が構築されてきています。そうした中、MAMMOMAT B.brilliantのようなマンモグラフィ装置は、高次医療機関での精査や治療方針決定に威力を発揮するだけでなく、負担の少ない乳房検査を実施できる装置として、地域の医療機関でも活用可能 と考えられます。このように診療機能の異なる 医療機関も含め、同じ装置が幅広く運用される状況になれば、地域の乳癌診療全体の質向上にもつながっていくのではないかと期待しています。

照井 技師長:地方都市に位置する当院ですが、 Siemens Healthineers の保守サービスや部品供給の対応スピードは迅速で、十分に満足しています。

斎藤 技師:トモシンセシス画像から再構成した合成2D画像のほうが従来の2D画像と比べて鮮明で評価しやすい印象があり、今後、診断上の位置づけが変わっていくのではないかと思います。

池田 技師: 2Dとトモシンセシスを撮影するので、「PRIME Tecnhnology」も使って2D の低線量撮影の検討もしていければと思っています。

2025年6月16日取材

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広角トモシンセシスの短時間撮影を実現したMAMMOMAT B.brilliantを診療・検診双方に活かす

秋田大学医学部付属病院寺田先生と放射線科技師の皆様

秋田大学医学部付属病院様

  • 所在地:秋田県秋田市本道1丁目1−1
  • お話をおうかがいした先生
    乳腺・内分泌外科:寺田 かおり 先生
    中央放射線部:照井 正信 技師長、斎藤 慶子 技師、池田 昌子 技師
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