Biograph mMR - MR・PETシステム最新テクノロジーを持つ3T MRIとPETを1台の装置に完全統合

Siemens Healthineers は、世界で初めて全身領域における形態、機能、そして代謝情報の同時撮影によるMR-PET画像の描出を実現しました。観察、診断、治療方針の決定、そして疾患のマネジメントに有用な追加情報をもたらす新しいハイブリッド、MR-PET装置。一つの部屋で、一回の検査で、一回の全身撮影フローで実現する、新しい全身検査のソリューションです。

特長

MRIとPETの一度の同時撮影によって得られる包括的な診断画像は、時間・空間的にズレのない高精度な画像です。さらに、MRIの体動補正技術を組み合わせることでPETの画像情報の精度が大幅に向上します。フォローアップ検査とモニタリングを通じて、治療方針の決定や病変の検出をフルサポートします。

Biograph mMRでは、ワークステーション上でMRIとPET画像のレジストレーションを行う必要はありません。MRIとPETの同時撮影は全く同じ時間で実施されるため、極めて正確に一致した位置情報を得られます。リファレンスとなり得る1枚の画像、モーションの影響を最小化した画像、そして極めて正確なレジストレーションを実現します。

MRIとPETの同時撮影技術は真の生理学的なプロセスのより良い理解を可能とし、全く同じ時間に生じる代謝と機能プロセス情報の入手をもたらし、疾患の正確な評価に役立ちます。

Siemens Healthineers独自の体動補正技術により、モーションによるPET画像の画質低下を防ぎます。MRIの体動補正技術と連動し、同時撮影されているPET画像が体動補正されます。特に肝臓や他の動きのある臓器のイメージングにおいてモーションから受ける影響を大幅に軽減することにより画像の品質を向上させます。

診断に必要なMRIとPETの臨床画像を1度に同時に撮影することが可能なBiograph mMRでは、MRIとPETの検査を行うにあたり、別々に検査を行う必要がなくなります。2つの検査を同時に行うことで、50%以上の検査時間の短縮1が可能になります。
効率的で質の高い検査は診断までのスピードを向上させ、被検者および病院スタッフの負担を大きく軽減するだけでなく高い生産性を生み出します。

マルチモダリティ読影システム

全く新しいコンセプトの診断用機器の運用には、検査から読影・診断までを考えた高度な画像診断ソリューションが不可欠です。syngo.viaは操作性の高い読影支援システムであり、モダリティによらず読影する画像に最適でフレキシブルな読影環境を提供します。検査オーダーの発行から読影、レポート配信までの”ターンアラウンドタイム”を最適化するsyngo.viaとの連携を提供します。

Biograph mMRは先進的な研究ニーズに新しい刺激を与えます。MRIとPETそれぞれに対する研究テーマのみならず、両者を同時にデータ取得することによる新しい可能性・臨床意義を探求する機会が生まれます。

クリニカル情報

Oncology Imaging

MRIとPETの同時収集は、腫瘍診断において早期診断・早期の疾患のステージングに対して有益な情報を与えるだけではありません。治療計画や治療方針の決定、さらには治療後のフォローアップための有効な手段となり得ます。

Neurology Imaging

脳神経領域においてはMR/PETの有用性が幅広く研究されています。MRIとPETを同時撮影した画像を評価することは、神経病理学のさらなる深い理解につながる可能性が示唆されています。さらに、各方面で新たなトレーサーの研究・開発が進められておりmMRの脳神経領域においてさらなる価値をもたらす可能性があります。

技術情報

Siemens Healthineersは、MRIと分子イメージングのイノベーションリーダーとして最新技術を結集し、2つのモダリティの完全統合を実現。Biograph mMRの誕生を可能にしました。

Biograph mMRにおいて、MRIとPETの同時撮影を行う場合の撮像視野はPETの撮像視野つまり体軸方向に配列されているPET検出器の幅で定義されます。本システムでは、PETの撮像視野を従来のPETないしはPET・CT装置に比べて大幅に拡大しており、25.8cmの撮像視野を確保しています。これにより、全身を少ないステップ数でカバーすることが可能になるだけでなく撮像視野内の感度も向上するため、スループットと画質をともに向上させることが可能です。

世界初の高磁場対応PET検出器

Biograph mMRの実現に必要なテクノロジーは、3Tの高磁場に適応できるPET検出器の開発と小型化でした。PET・CT装置に搭載されている高分解能型LSO検出器からPMT(光電子増倍管)を排除し、アバランチフォトダイオード(APD)を採用。磁場の影響を受けないPET画像が得られ、同時に小型化を実現しました。また、PET画像の品質維持に水冷による冷却システムも備えます。

MR検査における柔軟性、画質、スピードを飛躍的に向上させたTimコイルシステムがBiograph mMRにも搭載されます。TimコイルはPETとの同時収集を前提とし、ガンマ線の吸収を最小限に抑える低吸収素材に変更されました。その上でコイル装着位置の自動認識を利用し吸収補正への組み込みも行われるため、全身にわたって均一なPET画像が得られます。

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