導入した 0.55T装置で検査を行った患者さんからは、そうした撮像音に対する不快感や体温上昇を訴える声を聞くことはほ ぼなく、ストレスの少ないMRI検査を行えている印象があ ります。これもまた低磁場装置ならではのメリットではないかと考えています。
集患上最適と考えた立地のテナントに設置可能なMRIとして
0.55T装置を選定
開業にあたっては、患者さんにとってアクセスが良く、来院してもらいやすい立地を選定することにこだわっていました。土地柄として移動手段に車を利用している人が多いことから、幹線道路に近く、かつ十分な駐車場が用意できること。一方で、公共交通機関を必要とする人のため、電車の駅やバス停からも近いこと。そうした条件に当てはまる場所として、以前から目を付けていたテナントに空きが出て、多くの方の協力をいただき、契約にこぎつけられたのは非常にラッキーでした。
同時に、導入が必須と考えていたMRIの機種選定も重要なテーマでした。当初、候補としていた永久磁石タイプの装置は、重量が大きく選定したテナントには設置できないことから、また高磁場の1.5T装置も、十分な天井高とクエンチパイプの設置が必要なことから、選べませんでした。そこでそれらのハードルをクリアした装置として、0.55T装置を選定しました。

MAGNETOM Free.Star
開業以来MRIが集患にも大きく寄与し月100件超の検査件数を達成
当院のMRI検査件数は開業以来増加を続け、現在は月平均120件に達しています。1日最大8件の予約枠を設けていますが、骨折や断裂、分離症を疑うケースなど、緊急の場合には予約なしでも検査に対応しています。開業時には
1日約5件を目標件数とし、10年で導入コストを回収する計画を立てていましたが、その件数はすでに継続的に上回っており、計画より前倒しでコスト回収できる見込みです。当院を受診する患者さんにはMRI検査が受診動機であるアスリートの方が多く、MRI装置が集患の効果を発揮していると感じています。MRIの導入は、検査に付随して行う診療による収入ももたらすことを計算に入れれば、経営的なメリットが十分にあると実感しています。

自院の診療の特色を大切に周辺医療機関との良好な連携のもと医療提供していきたい
スポーツ障害・外傷に対する診療とMRI検査を特色として打ち出している当院は、開業前に立地を選定する時点 で、同様の特色を持つ整形外科クリニックが近隣に存在しないことを確認していました。ですから、周辺の整形外科クリニックと患者さんの獲得をめぐって競合関係にあるとは感じておらず、むしろ当院の持つ診療機能をより多くの地域の患者さんに還元するためにも、周辺医療機関との良好な連携が不可欠だと考えています。
今後も、スポーツ医学やMRIを含めた当院の診療の特色を地域に広く知っていただくべく前面に打ち出し、地域の先生方と協働しながら、当院ならではの役割を果たしていきたいと思うとともに、次のステージを想像し、ワクワクしながら診療に当たってまいります!
(2025年1月28日取材)
記事全文と、撮像画像も掲載しております。ぜひダウンロードしてお読みください。
