クリニックであっても、幅広い症例に対して可能な限り迅速・正確に診断し、診断に基づいた治療方針の決定や予後予測まで一貫して行う整形外科診療を提供できる施設を開業したい、と思うようになりました。MR画像による確定診断と予後予測に基づき、リハ ビリテーション治療によって症状改善や機能回復をしっかりサポートできる環境も整えたいと考えました。

迅速な診断による治療方針決定・予後予測まで 確実に対応できるクリニックを目指しMRIを導入
私が開業のイメージを描くきっかけとなったのは、病院勤務医当時、クリニックでも非常勤医師として診療する経験をしたことでした。多くの地元クリニックにて勤務しましたが、どのクリニックにも画像検査機器がX線装置しかなかったために、患者さんの訴える症状に対して正確な診断を付けることに限界があり、他院に紹介する例が多かったのです。その中で、クリニックであっても、幅広い症例に対して可能な限り迅速・正確に診断し診断に基づいた治療方針の決定や予後予測まで一貫して行う整形外科診療を提供できる施設を開業したい、と思うようになりました。
加えて、MR画像による確定診断と予後予測に基づき、リハビリテーション治療によって症状改善や機能回復をしっかりサポートできる環境も整えたいと考えました。そこで、リハビリ室の設備やリハビリスタッフの人員体制を充実させることにも注力しながら、開業準備を進めました。2023年6月の開院から、患者数は順調に増加し、現在は1日平均120人程度にまで達しています。
プロアスリートの競技人生を 長期的視野でサポートする診療体制を整備
当院では、プロアスリートをスポーツ医学に基づいてサ ポートする診療提供を行っており、現在、ラグビー、自転車競 技、女子サッカーのプロチームをサポートしています。院内で診察やリハビリ治療を行うだけでなく、私がチームの練習 拠点に出向いて診察したり、理学療法士が試合に帯同し、コ ンディショニングを行ったり、さまざまな取り組みを行っています。
このようなアスリートへのサポートは、一般の患者さん のリハビリ治療に活かせる面もあると考えており、当院で 働く理学療法士には、そこにやりがいを感じて取り組んでほしいと願っています。そのため採用にあたっては、スポーツへの興味、あるいはスポーツ障害・外傷で苦労した経験を持っていることに加え、理学療法士としての専門性を高めていきたいという志向があることを重視していま す。アスリートに対するより良い医療サポートの形につい て、私自身が興味を持って取り組んでおり、ともに追求してくれるスタッフと協働していきたいという思いがあります。

リハビリテーションの定量的評価ができる機器を活用し 患者さんに納得感ある治療を提供
開業時からこだわった、充実したリハビリ環境を提供 するため、100m2を超えるリハビリ室を設け、リハビリス タッフとして常勤5人、非常勤4人の理学療法士に加え、リハビリ助手1人を配置しています。さらに、3人いる看護 師がリハビリ助手を務めることもあります。看護師には採用の際、当院の方針として担当業務は看護師の本来業務以外に、リハビリ助手、画像検査の補助、受付業務など多岐にわたることをあらかじめ説明しています。
そして、当院のリハビリ治療の特色として、患者さんの改善についての定量評価を積極的に行っていることが挙げられます。筋電図やモーションキャプチャーを導入し、それらによる測定・解析結果を治療方針の作成や患者さんへの指導に活かしているのです。
(2025年1月28日取材)
