医療法人沖縄徳洲会 中部徳洲会病院は2016 年4月1日に新築移転し、救急医療に注力した設備と体制で新たなスタートを切りました。新病院では、Artis zeego、MAQUET 社製MAGNUSテーブルの組み合わせに加え、扉を隔ててスライディングガントリCTを設置した、ダブルルーム仕様のHybrid ORシステムが稼働しています。中部徳洲会病院を訪ね、伊波 潔 院長をはじめ、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科の先生方に、Hybrid ORシステム導入の経緯や稼働状況についてお話をうかがいました。
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“このハイブリッド手術室のレイアウトはシーメンスとしても初の試みだったそうですが、大変満足しています”
Q. ハイブリッド手術室のレイアウトにはどのような工夫をされましたか。
「このハイブリッド手術室のレイアウトはシーメンスとしても初の試みだったそうですが、大変満足しています。最大の理由は、CTとzeegoがそれぞれ単独で稼働できるということです。当初は同室にCTを導入したいと思っていましたが、もし、ハイブリッド手術室にCTを設置していたら、その稼働率は非常に低くなってしまっただろうと思います。」(伊波 院長)
“この部屋があったからこそ救われた命がありました”
Q. ハイブリッド手術室や新たな設備を導入された目的を教えてください。
「TAVIはもちろんですが、多目的な用途を想定してArtis zeego(以下 zeego)を選びました。アームが柔軟に動きますので、長軸方向、横方向などさまざまな方向から、今までにない新しいアプローチができます。稼働後、心臓血管外科では、ステントグラフトを10 件ほど実施しました。使い勝手が良く、画像も非常にきれいで満足しています。また、肝臓がんの開腹手術中にCTを撮影し、肝臓がんの位置を正確に同定した上で切除を行いました。このように、zeegoとCTが同じ手術台で使用できるおかげで、多数の診療科で新たな選択肢が生まれ、稼働してまだわずか3ヶ月ですが、実際に、この部屋があったからこそ救われた命がありました。」
“特にAVMのDynaCT 画像の鮮明さに驚きました”
Q. Artis zeegoの評価をお聞かせください。
「高性能な血管撮影装置ということで期待はしていたのですが、zeego は期待以上でした。予想をはるかに超えた画像で、特にAVMのDynaCT 画像の鮮明さに驚きました。」
“単純レントゲンの2次元画像が広範囲で鮮明というだけでなく、術中の回転撮影によるリアルタイムの3 次元評価も可能であり、これまで大血管・神経が近いため手が出せなかった仙骨骨折にも手術適応を拡大させました。”
Q. Artis zeego の導入にはどのようなメリットがありましたか。
「zeegoは8軸関節で、非常に柔軟な動きができます。手術の流れが円滑になり、また、的確な透視の評価が可能です。単純レントゲンの2次元画像が広範囲で鮮明というだけでなく、術中の回転撮影によるリアルタイムの3 次元評価も可能であり、これまで大血管・神経が近いため手が出せなかった仙骨骨折にも手術適応を拡大させました。また、術中にリアルタイムCT撮影することで、より正確な位置情報が得られ、皮膚の切開範囲を狭くしたり、軟部組織へのダメージを軽減したりすることにつながります。より侵襲の少ない手術が行えるようになりました」(仲宗根先生)
【インタビュー内容】
- ハイブリッド手術室や新たな設備を導入された目的を教えてください。
- それぞれの診療科でハイブリッド手術室をどのように運用されていますか
- Artis zeegoの評価をお聞かせください。
- 新たな設備を、今後どのように使っていこうとお考えですか。
など
<Siemens Future Vol.31 P41-43抜粋/ 2016年6月23日取材>