JR広島駅新幹線口に開設された歴史あるJR広島鉄道病院が、2016 年1月、隣接地へ新築移転するとともに名称をJR 広島病院と改め、新たなスタートを切りました。
移転に伴い、新たに緩和ケア室、人工透析室、独立した健診センターを設置して、さらなる診療基盤の拡充を図りました。加えて、放射線科の画像診断装置もより性能の高いものに更新されました。
血管撮影装置は、従来のシングルプレーンから、循環器、腹部、下肢まで全身の検査を高いレベルで行えるバイプレーン装置を検討し、最終的にシーメンスの血管撮影装置Artis zee BA PUREが導入されました。稼働から4ヶ月、実際に装置を使用されている循環器内科 寺川宏樹 部長、放射線科 伊達秀二 部長、中本幸司 技師長、甲斐勇二 技師にお話をうかがいました。
Pick Up!
“バルーンやステントのサイジングが確実に行えるだけでなく、的確な病変の評価と確実な治療ができます。”
Q.下肢血管撮影に関してお聞かせください。
「下肢血管撮影はバイプレーンでも行えます。骨盤部では血管走行が複雑になり、2 次元の画像で見ている長さよりも、実際の血管長が長かったりすることがあります。バルーンやステントのサイジングが確実に行えるだけでなく、バイプレーンで的確な病変の評価と確実な治療ができます。 」(寺川部長)
“ステントの先端がちょうどいい位置にきていることを簡単に確認することができます。造影剤の使用量を減らして、より的確に位置決めができるようになり、透視時間も短縮されました。”
Q.ステント強調処理に関してお聞かせください。
「今まではバルーンがステントから出ないようにという配慮や、ステントのどこが広がっていないかなどの評価が造影しないとわかりにくかったのですが、ステント強調処理 CLEARstent を用いることによって非常に鮮明に見えるようになりました。
IVUS(血管内超音波検査)でも同様の結果が得られており、信頼性は高いと思います。リアルタイムのステント強調処理CLEARstent Live も大変便利でよく使っています。バルーンを拡張する際に、ステントの先端がちょうどいい位置にきていることを簡単に確認することができます。造影剤の使用量を減らして、より的確に位置決めができるようになり、透視時間も短縮されました。」(寺川部長)
インタビュー内容:
- 血管撮影装置の更新の経緯について
- 透視および撮影の画質についての感想
- コーンビームCTの画質についての評価
- シャント造影に関しての利点
など
<Siemens Future Vol.31 P34-36抜粋/ 2016年5月10日取材>