2004 年に開設された国立がん研究センター 中央病院検診センターでは、新たながん検診と予防法の開発のため、最先端の研究が進めれています。2014 年5月には新しい診療棟が完成し、医療機器を一新。乳がん検診には、中央病院で研究用として使われていたトモシンセシスを本格導入し、あわせてスライス断面をきっちりと比較できるABVS(Automated Breast Volume Scanner)を導入し、より精度の高い新しい乳がん検診がスタートしました。ABVS が果たしている役割とスキャンや読影の実際について、放射線診断科、医長、内山 菜智子先生、放射線診断科、医長、菊池 真理先生にお話をうかがいました。
Pick Up!
“現在は各検診者ごとの検査時間はほぼ変わらず、約10 分で終わります”
Q. トモシンセシスとABVSによる新たな乳がん検診についてお聞かせください。
「ABVS は検査が所定の時間内に終わるのがいいですね。以前のハンドヘルド式では検診者ごとの検査時間が異なる場合がありましたが、現在は各検診者ごとの検査時間はほぼ変わらず、約10 分で終わります」(内山先生)
“読影時間は約3 分です”
Q. 読影に特別な技能は不要
「ABVSでは乳管の拡張が強調されて見える傾向がありますが、慣れてくると病変ではないことが判別できるようになります。それにはおおよそ50 件ほど読影を経験すれば良いでしょう」 (菊池先生)
【インタビュー内容】
- ABVSは放射線科が管理
- スキャンボックスの置き方がポイント
- 病変はアキシャルおよびサジタル断面で探す
- 過去画像との対比で診断精度が向上
- 今後の展望
など
<Siemens Future Vol.31 P28-29抜粋 / 2016年5月25日取材>