八尾徳洲会病院ハイブリッドOR

民間病院における最適なハイブリッド手術室について-手術室運営を担当する麻酔科医からの提案-

日本麻酔科学会第69回学術集会 共催セミナー

2022 年6月18日(土)に日本麻酔科学会第69回学術集会において開催されたランチョンセミナーでの、八尾徳洲会総合病院 麻酔科 部長・中央手術部長 谷 仁介 先生のご講演をレポートします。

2022-09-15

当院でハイブリッド手術室の導入を検討にするにあたり、まずその当時の各施設のハイブリッド手術室の状況を確認した上で、心臓血管外科単科で使用するハイブリッド手術室ではなく、複数の診療科が活用できるハイブリッド手術室とはどういうものかを念頭に協議しました。本セミナーでは、今後ハイブリッド手術室の導入を検討されているご施設の先生方に、参考になればと思い、その経緯などについて簡単にご説明させていただきます。

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八尾徳洲会総合病院 麻酔科 部長・中央手術部長 谷 仁介 先生

当院でのハイブリッド手術室導入前には、ARTIS phenoという多軸床置型装置だけでなく、天井懸垂型や床走行型など、さまざまなシステムを比較検討しました。X線透視装置の基本的性能、手術室機材との干渉の程度や手術台との連動性能、そして適用手術症例の多少など、X線透視を使用する際の仕様を比較だけでなく、前述のとおりX線を使用しない通常の手術における退避位置なのを含めた汎用性も含めて入念に検討しました。それらを踏まえ、私がハイブリッド手術室にARTIS phenoをお薦めする理由としては、民間病院は手術エリアのスペースが限られており、多診療科が使用できるハイブリッド手術室が必要で、それを実現できる装置であること、麻酔科医や看護師が移動しやすい空間を確保できること、通常の手術もできるため手術件数の維持や増加につながること、その結果手術件数を確保することで設備投資の回収が可能となることなどとなります。