ARTIS icono D-Spinの透視やロードマップの画質の素晴らしさに毎回驚かされています。非常に高精細です。機能の秀逸さは何物にも代えがたいことを実感しています。

脳神経外科 主任部長
常勤医も専攻医もARTIS icono D-Spinを使用して検査や血管内治療を行っていますが、非常に高いレベルで実施できていると全員が実感しています。

脳神経外科 部長
持田 先生 当院の脳神経外科は、東京医科歯科大学脳神経外科からの医師派遣という形で、この地域に脳神経外科がほとんどなかった昭和48年から診療を開始しました。昭和54年には大学から独立し、当院独自の脳神経外科として診療にあたっています。「すべては患者さんのために」という基本理念のもと、24時間365日断らない救急対応を実施しています。
従来は各学会がそれぞれ独自の基準で専門医を認定してきましたが、近年、日本専門医機構による新専門医制度がスタートしました。領域ごとに基準となるプログラムが設定され、認定された医療機関で専門医プログラムが実施されています。当院の脳神経外科でも脳神経外科専門医プログラムを実施しており、東京医科歯科大学脳神経外科や千葉大学脳神経外科から派遣された専攻医を教育しています。現在は5名の専攻医が切磋琢磨しており、今後もますます専攻医の教育、特に手術に関しての教育に全力であたりたいと考えています。地域の救急医療の中核としてだけでなく、専門医の育成にも力を入れているというところが当科の特徴といえるかもしれません。(写真:持田 英俊 先生)

持田 先生 脳卒中は緊急症例の多い疾患ですから、どうしても救急対応がメインとなります。
当院では約5年前から脳卒中ケアユニット(SCU)を3床確保し、ほぼ100%の稼働率で運用しています。脳梗塞に対する血栓回収も、血管撮影室のスタッフと協力して24時間対応できる体制をとっています。
千葉県には10の地域医療圏があり、当院は人口約30万人の香取海匝医療圏ですが、この地域には脳卒中の急性期を受け入れられる医療機関が当院以外にほとんどありません。そのため、地域の脳卒中の救急対応はほぼすべて当院が行っているのが現状であり、それに備えた万全な体制づくりに努めています。2011年の新本館建設にあたっては救急医療体制の強化を図り、血管撮影室や手術室を機能的に配置して、緊急の検査や手術により迅速に対応できる体制を整えました。
持田 先生 患者さんやそのご家族との信頼関係を大切にするために、インフォームドコンセントを徹底しています。場合によってはセカンドオピニオンを勧めることもあります。できることには全力で対応しますが、病院によって手に余る疾患があることは事実です。そういう場合は大学から専門の医師を招聘したり、専門の施設に紹介状を書いて対応しています。大学病院ではありませんから、1から10まで当院で対応しなければならないとは考えていません。患者さんのことを第一に考えて、決して無理はせず、関連施設と連携しながら治療を行うことを心がけています。もちろん、緊急の場合は別ですが。
持田 先生 他社装置とは操作の勝手が違うので当初は少し戸惑いましたが、今はもう慣れてきました。それよりもARTIS icono D-Spinの透視やロードマップの画質の素晴らしさに毎回驚かされています。本日もフローダイバーターステント治療を行ったのですが、以前の装置とは見え方がまったく違う。非常に高精細です。操作というのは結局は慣れですが、機能の秀逸さは何物にも代えがたいことを実感しています。通常のバイプレーンのコンセプトと違い、3D撮影の際に側面アームも一緒に動くというところも斬新ですね。個人的には装置の見た目も気に入っています。
森脇 先生 常勤医も専攻医もARTIS icono D-Spinを使用して検査や血管内治療を行っていますが、非常に高いレベルで実施できていると全員が実感しています。昨年の血栓回収療法は年間で42症例でしたが、今年は1月から6月の間にすでに31症例行われています。新しい装置が導入されたことが弾みとなっていることは確かです。今後は運用を見直し、できる限り治療介入していこうという機運が高まっています。この流れで行くと、今年は血栓回収療法の症例数がかなり増加すると予測しています。また、ロードマップ機能によって再撮影が不要となったことや、マップ画像を再利用できることなどが寄与して、従来よりも低被ばくで検査・治療が行えていると感じています。
私は操作に関しては比較的早く慣れることができたのですが、アプリケーションに慣れるのに少し時間がかかりましたね。学会を控えていたので、Siemens Healthineersのアプリケーション担当の方にメールをしていろいろと教えていただきました。そのおかげで高精細な画像を撮れるようになりました。担当の方には親切・丁寧に教えていただきましたし、レスポンスも非常に良かったです。
装置の機能には満足しているのですが、あえて問題点をあげるとすれば、メタル描出能や、モーションアーチファクト・メタルアーチファクトの低減処理後など、3D画像に課題があるところでしょうか。これらが改善されれば、我々ももっと恩恵を受けられると思うので、ぜひ前に進めて行っていただきたいですね。(写真:森脇 拓也 先生)

- 所在地:千葉県旭市イの1326番地
- 病床数:(許可)989床(稼働)819床
- 主なご導入装置:ARTIS icono D-Spin, SOMATOM Definition AS Open, SOMATOM Emotion 16, Synbia Intevo Excel, MAGNETOM Veiro, MAGNETOM Avanto, Cios Flow
- お話をおうかがいした先生
脳神経外科 主任部長:持田 英俊 先生
脳神経外科 部長:森脇 拓也 先生