第16 回イムノケミストリー
オンラインセミナー
オンデマンド配信 (5月27日収録)
6 月16日(火)から7月5日(日)までの期間限定公開

5月27日(水)に開催しました第16回イムノケミストリーオンラインセミナーには、大変多くのご参加をいただき、ありがとうございました。当日ご参加頂けなかった方、もう一度ご視聴をご希望の方に、今回のセミナーの内容を、期間限定でお届けいたします。

Live配信時にお寄せいただいたご質問と回答

  • 4SDの算出と目標値について
    まず、内部精度管理で管理しているのはコントロールの値(内部精度管理値)であり、キャリブレータの不確かさは含まれないかと思います。管理幅にキャリブレータの不確かさを考慮しますと、管理したい内部精度管理値のばらつきに対して、管理幅が広くなりすぎてしまう可能性があります。よって、管理幅に用いるSDは、ある一定期間の内部精度管理値より算出したものでよいと考えます。
    また、コントロールのLot変更やキャリブレータのLot間差(不確かさ)によって目標値を再設定する場合があるかと思いますので、SDではなくCVを固定値とします。目標値が変わる場合には、「目標値 × CV/100 = SD」の計算式より新しいSDを算出するのが良いと考えます。
  • 試薬のブランク校正について
    (ご質問の内容から少しずれてしまいますが)項目によっては試薬ブランクが変動するものもありますので、それらは毎日試薬ブランクの校正を行う必要があります。しかし、変動がない項目ついては必ずしも必要ではなく、むしろ毎日校正を行うことで「測定系における何かしらの異常があった場合にそれを隠してしまう可能性」があると考えております。したがって、運用整備の段階で生食を複数日測定することで検証を行い、変動を認めた項目のみ毎日試薬ブランクの校正を行う運用が良いのではないかと考えております。
    また、毎日試薬ブランクを行っている場合は、その結果が毎日の内部精度管理値に反映されます。したがって、管理幅設定のために内部精度管理値の収集を行った期間の運用条件と、実際に管理する際の運用条件は、同じものにする必要があると考えます。
  • PDCAサイクルについて
    まず振り返りとして、一定期間(例えば1か月ごと)に、系統誤差が発生していなかったか、最終的にばらつき(CV値)が目標(性能仕様)を達成していたかのレビュー「Check」が必要となります。
    ルールによる棄却が発生せずとも、シフトやトレンドといった系統誤差が発生した場合は、まずは測定プロセスの検証「Action」を行う必要があります。それが突発的(原因不明)であった場合は難しいですが、例えば試薬のオンボード安定性によるトレンドであれば、装置に架設する試薬量を「トレンドが発生する前に使い切れる量」に調整するなど、運用「Plan」の改善が必要となる場合もあります。
    系統誤差を不適合とするかどうかはご施設次第ですが、不適合でなくともリスクマネジメントとして対処する必要があるため、いずれにしてもPDCAサイクルによる対応は必要となります。そして、最終的なばらつき(CV値)が目標(性能仕様)を未達であれば、上記と同様に測定プロセスの検証「Action」を行う必要があります。
    逆に言えば、棄却もなく、系統誤差もなく、最終的にばらつきが目標(性能仕様)を達成できている状態であれば、それは測定プロセスがコントロールされた状態であり、過度な改善は必要ないのではないかと考えております。

私も認定施設にいた際は、同じ悩みを抱えておりました。
しかし、実際に不確かさを計算し、それが自施設で設定した性能仕様を満たしている状態が続いているのであれば、同じコメントになるのは仕方ないのではないかと思っております。考える余地があるとすれば、項目ごとに設定した性能仕様の妥当性ではないかと思いますので、ポイントはやはり、どのように性能仕様を設定するかではないかと思います。そして、それがエビデンスに基づいたものであり、かつ算出した不確かさが達成していれば、それ以上の過度な追及は必要ないのではないかと考えます。
不確か算出の目的は、「算出した不確かさが性能仕様を満たしているかを確認し、それによって測定値の品質が保証されていると証明すること」だと考えます。この証明するというプロセスに大きな意味があると思いますので、コメントの内容よりも、プロセスそのものを大切にできれば良いのではないかと考えます。
ただ、どうしても異なる視点でのレビューが求められる場合には、以下のような内容はいかがでしょうか。
・目標に対する余裕度の評価
算出した「標準不確かさ」と目標となる「性能仕様」の差を確認し、「今回は目標に対してこれほどの余裕があった(リスクが十分に低い状態である)」と評価する。余裕が大きい場合、品質仕様の見直しを行うなど。
・経年変化と構成要素の検証
昨年と比較して合成標準不確かさの大小を評価し、その変化の要因について検証する(採用する試薬メーカーやキャリブレータの種類が変わったことによる影響か、施設内変動の大きさが変わったことによる影響か、など)。