乳がんについてあなたらしい人生のために、ご自身にあった乳がん検診を

乳がんは、早期に発見すれば治せるがんです
乳がんを患う日本人女性は年々増え続け、今では1年間に新たに乳がんと診断される方は7万人を超えています。しかし乳がんは、治癒率の高いがんです。早期発見ができれば、医療の進歩によってほとんどのケースで乳がんを根治できるようになっています。
早期発見のためには、まず自分自身を知ることが大切です。
身体の変化を定期的に見て、さわって確かめること。ご自分の乳腺濃度や遺伝性のリスクを知ること。そしてご自身にあった検診方法や対応があることを知ってください。

乳がんとは

部位別罹患率推移(女性/全年齢)
部位別罹患率推移(女性/全年齢) ※乳がんのデータは2005年より

知りましょう、乳がんのこと
乳がんは、増え続けています。今や、日本人女性が最もかかりやすいがんです。
2015年の統計では日本人女性の12人に一人が罹患し、日本人女性が最もかかりやすいがんとなっています。30歳代の比較的若い世代から罹患率は急激に増加し始め、40歳代後半から60歳代までがピークとなります。
罹患率:特定の期間内に、特定の人数の中で新たに生じた病例数を割合で示したもの。

乳がんの5年生存率と病期分類(ステージ)

乳がんは、早期に発見し治療すれば、とても治癒率が高いがんです。
がん細胞が乳管や小葉に留まっている場合(病期0:非浸潤性乳がん)は、ほぼ100%治ります。しこりの大きさが2cm以下でリンパ節転移が無い場合(病期Ⅰ)5年生存率(治療をして5年後の生存率)は95%以上です。ただし、発見が遅れると治療負担は大きくなり生存率も低くなります。 

  • グラフ:乳がんの5年生存率(公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'13」より)
  • 表:病期分類(ステージ)

乳がん検診について

MAMMOMAT
マンモグラフィ

知っておきたい、乳がん検診のこと
乳がんの早期発見には一人ひとりの状態にあわせた検診が不可欠です。画像診断装置を使用した乳がん検診には、様々な特徴があります。それぞれの画像診断装置の特徴を活かして一人ひとりの状態に最適な検診を行うことで乳がんの早期発見、早期治療を可能にします。

  • 小さなしこりや石灰化を見つけるのが得意なマンモグラフィ
  • 乳腺濃度の高い若い女性の診断に有用な超音波検査
  • 欧米では遺伝性乳がんの発見率が非常に高いといわれているMRI検査

実践しましょう、セルフチェック

月1回のセルフチェックも大切な早期発見の第一歩です。
乳がんは身体の表面に近い場所で発生するため、ご自身でも調べることができます。定期的に続けることで、いつもと違う変化に気づくことができます。乳がん検診に加えて月1回のセルフチェックも行うようにしましょう。

セルフチェック
(スライドしてご覧ください)
①鏡の前に立ち、両腕の力を抜いて自然に下げたまま状態を調べます。

❶ 鏡の前に立ち、両腕の力を抜いて自然に下げたまま、次のことを調べます。

  • 左右の乳房のかたちや大きさの変化
  • 乳房まわりのへこみや皮膚のひきつれ
  • 乳首のへこみやただれ

❷ 両腕をあげた状態で同様に調べます。(しこりがあると、そこにへこみができたりひきつれが起きたりすることがあります。)

セルフチェック
(スライドしてご覧ください)
③仰向けに寝て、乳房の内側にしこりがないか調べます。

❸ 仰向けに寝て、あまり高くない枕などを背中の下に入れます。左手は頭の下に入れます。右手の指をそろえてのばし、まず左乳房の内側にしこりがないか調べます。

❹ 右手を左乳房の内側(乳首よりも内側)にのせ、指の腹を胸の中央部に向かって柔らかく、しっかり滑らせるようにし、しこりの有無をまんべんなく調べます。

❺ 同じ姿勢のまま左腕を自然な位置に下げ、今度は乳房の外側の部分を外から内に向かって柔らかく、しっかりと指を滑らせて調べます。❻ 右乳房も同様の方法で調べます。

セルフチェック
(スライドしてご覧ください)
⑦指を揃えてのばし、ワキの下に入れてしこりがないかを指先で確かめます。

❼ 起き上がり、右手の指を揃えてのばし、左ワキの下に入れてしこりがないかを指先で確かめます。右ワキの下も同様に調べます。

❽ 左右の乳首を軽くつまんで、乳を搾るようにして血液の混じった分泌物が出ないかを確かめます。

しこり(乳房・ワキの下)
乳頭からの分泌
月経周期以外の痛み
乳頭の湿疹・びらん(ただれ)
乳房皮膚のくぼみ・ひきつれ
乳房皮膚の色の変化