非造影 DE電子密度画像による肺動脈血栓の描出
肺血栓塞栓症の診断は造影CTが標準とされていますが、腎機能障害や造影剤禁忌症例では評価に制約があります。従来の非造影CT における“Hyperdense lumen sign”は特異度が高い一方で、感度に限界がありました。本症例では、SOMATOM Pro.Pulse によるDual Energy 撮影を用いることで、非造影であっても電子密度画像から血栓の物質特性に基づいた描出が可能となりました。特に、Dual Source CT は短時間でのDual Energy 撮影が可能であり、呼吸や体動の影響を抑えつつ、安定したスペクトラル情報を取得できる点が特長です。本手法は非造影で実施可能であるため、造影剤使用が困難な症例において新たな診断オプションとなり得るほか、スクリーニングやフォローアップへの応用、さらには救急診療における迅速なトリアージへの寄与も期待されます。
循環器内科 副部長 岡山 悟志 先生
DE Fat MapによるMASLD(代謝異常関連脂肪性肝疾患)の評価
近年、脂肪肝(MASLD)は生活習慣病の増加に伴い有病率が上昇し、肝疾患にとどまらず全身性代謝疾患として注目されています。特に、MASLD 患者の主要死因が肝疾患ではなく、冠動脈疾患をはじめとする心血管イベントであることが明らかとなり、循環器領域における意義が高まっています。さらに、GLP-1 受容体作動薬をはじめとする治療選択肢の進展により、早期発見・早期介入の重要性が一層強調されています。
心臓CT検査では、撮影範囲内に肝臓が含まれることが多く、追加の被ばくや検査負担なく脂肪肝の評価が可能です。この特性を活用したDual Energy撮影(心電図非同期で実施)による定量的な脂肪含有率評価に基づくスクリーニングは、冠動脈疾患のリスク層別化に加え、消化器内科との連携による包括的な管理を促進し、患者予後の改善に寄与することが期待されます。
循環器内科 副部長 岡山 悟志 先生
Tips:DE Fat Map
Fat Map は、Dual Energyデータから生成される定量画像であり、造影・非造影いずれの撮影にも適用可能です。syngo.CT DE Liver VNCのアルゴリズムを基に軟部組織を0%、脂肪を100%とする基準で脂肪含有率(fat fraction%)を算出します。Dual Energy のスペクトラル情報を活用することで脂肪分布を視覚的かつ定量的に評価可能です。
循環器内科 副部長 岡山 悟志 先生
認証番号:306AABZX00010000



